初心を忘れそうになったら見る写真

宝塚大劇場から徒歩15分の自宅でパン教室をしている柳瀬美仁です。

柳瀬美仁パン教室は、基本的にお子様の参加はお断りしています。子育て経験のない私は、子供の扱いが良くわからないから。何歳の子なら何がどれくらい出来て…とかもわからない。集中力が持つのか、退屈しないのか、そんな事も分からない。決して子供嫌いという訳ではないのですが、使いたくない気を遣うのも嫌だしなと思っています。

そんな私に友人の1人から、将来パン職人になりたい10歳の男の子のレッスンを引き受けて欲しいと依頼をいただきました。さて、どうしたものか…。色々相談してみた結果、まあ1度やってみましょうかという事になりました。

当日、名古屋の有名パン職人さんから贈られたというネーム入りの本格的なコックコートを着て、彼は素敵なお母様と共にやってきました。聞けば、お母様がパン好きで、一緒にパン屋さんめぐりをしたり食べ歩いているうちに自分もパンが大好きになり、将来はパン職人になると決めたとの事。彼らをご紹介くださった友人の7歳のお孫さんも一緒にご参加くださる事になりました。彼女はプリンセスが着るドレスのような素敵なエプロンをつけて。

結局私は子供向けの準備は何もせず、レシピもレッスンも通常の大人と同じに進める事にしました(リンゴジュースは用意しておいたけど)。付添いの大人たちには手出しも口出しもお断りしました。パンを作る2人は真剣そのもの。懸念していたお遊びムードはみじんも感じられませんでした。

流石に2次発酵の際は時間を持て余しているようだったので、うちから2分の公園で遊んでもらう事にしました。けどお約束の15分後には2人とも息せき切って戻ってきて、ちゃんと卵やマヨネーズとケチャップ塗ってと最後の仕上げもしたのです。

かくして計量から手ごね、分割、丸め、成形、仕上げと全て自分たちの手になるパンは無事に焼きあがりました。焼き立てパンを食べてみよう!と食卓に並べた時、男の子は最初の一つをお母様のお皿に置いたのです。ひと口召し上がったお母様の嬉しそうな、美味しそうな顔ったら! 嗚呼、彼はこの顔が見たくてパン職人になるって決めたんだなと思うと、私は胸が熱くなりました。

女の子の方は「お母さんに持って帰るんだから、ばあばは食べないで!」なんて言ってみんなを笑わせます。けど自分が一口食べてみて、美味しいからばあばも一つだけ食べて良いよって。優しいのね。

決して遊びじゃない、本気モードの2人。大好きな人に自分が作った美味しいパンを食べてもらいたいとの一心で作るパン。私はなんでパン教室始めたのかな? どんなパン教室にしたいと思っているのかな? そんな事を忘れそうになったら、この日2人と一緒に撮ってもらった写真を見よう。そんな事を思った、初めての本格的な子供教室だったのです。

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初心を忘れそうになったら見る写真” に対して2件のコメントがあります。

  1. リト より:

    とっても素敵なお話♡
    私も初心にかえる思いです。
    本当に小さい頃はいろんな事に感動できて刺激を受けました。
    大人になるとともに感動や刺激も少なくなり、初心を忘れがち、、、。
    でも美仁先生のレッスンに出会うことで、四十路の手習ですが久しぶりに新鮮な気持ちになれました。
    いくつになっても新しいことにチャレンジする行動力は忘れたくありませんね。
    子どもって本当に正直で、ハッと気付かされること多々です。
    小さなパン職人☺︎将来が楽しみですね。

    私も次回のレッスンが待ち遠しいです♡

    1. yanasemini より:

      読んでいただいて、素敵なコメントくださって、ありがとうございます。
      いくつになっても、ワクワクするような楽しみやチャレンジ精神を持ち続けなくちゃ!と思います。
      楽しく、美味しいレッスンになるように、私も日々精進しますね♪

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