孤独死の第一発見者になりました

宝塚御殿山の自宅パン教室をしている柳瀬美仁です。
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【孤独死の第一発見者になりました】

父が他界したおり、母が福岡にあるマンションを相続したんですね。そこに母の好意で叔母（父の妹）を住まわせていました。

実の姉妹とも絶縁した少々厄介者の叔母でした。唯一母だけが親身に面倒をみてやっていました。

その叔母が母にも忘恩負義な態度を取るようになり、ついには電話にも出なくなったので、堪忍袋の緒が切れた私は話を付けてしかるべき処置を取ろうと、早朝発の新幹線で福岡に乗り込んだわけです。WBCの準決勝で大盛り上がりした翌日の事でした。

呼び鈴を押しても電話しても応答がなかったので、合鍵を使って中に入ったところ…。脱衣所で倒れている叔母を発見しました。

すぐに警察と消防に通報したら、救急車のみならず消防車もやってくる、近所の交番からお巡りさんがやってくる、パトカーで刑事さんがやってくる、さらにその後検視や鑑識もやってくると大変な騒ぎになりました。

私は事情聴取を受け、家宅捜索を受け、その間警察は私の話の裏付けを取り、ご近所へ聞き込みし、叔母のかかり付け医や薬局にも事情を聞きと、まあ何ともシステマチックにドラマチックに事はすすんでいきました。

結局、高血圧症からくる虚血性心疾患で死後約1日、事件性は全く無しと断定されました。

15時過ぎに私は一旦解放され、遅いランチをとって（巨大なハンバーガー食べた）、夜になって葬儀屋さんと共に警察署に移された遺体を迎えに行き、火葬の手続きをとって、長い一日を終え（急遽とったホテルに帰る前に博多ラーメンも食べた）、翌々日に荼毘に付し、骨壺は叔母（故人の実妹）に押し付けて帰宝しました。やれやれ。

で、何が言いたいかというとですね。

今、終活が盛んですよね。何より大事なことは、「bodyを発見」してもらうって事です。24時間以内にね。生きてようが死んでようが（生きていれば、さらに命を長らえる事も可能でしょう）。

携帯やパソコンのPWとか、資産はどうとか、遺影や死装束はこれ使えとか、んなこたあどーでも良いです。大切な事ではあるけれど、なんとかなります（多分）。

だけど「body」の発見が遅くなった場合、それはとんでもないことになります。迷惑なんて言葉では表現しきれません。

特に独りの時間が長い方は、家族でも親戚でも、親しい友人でも、民間の警備会社とかでも良い。何らかの方法で毎日定期的に連絡を取る事。そしていつもの連絡が取れなかったら、すぐに駆けつけてもらうよう手配しておく事。

私の大事なブログ読者の皆様。
どうぞこの投稿が、何らかの見直しのきっかけになりますように。

叔母の発見は死後1日ほどだったので、bodyにも部屋にも損傷はなく、大した臭いもありませんでした。それを神仏やご先祖様や、それから私自身の運や、えっとそれから…、とにかくありとあらゆるものにどれだけ感謝をしたことか。

よく起こってもいないことを心配して笑われる事がありますが、私は実際には起こらなかった事を思って、精神的にかなりの打撃を受けました。

もし、あの時行っていなかったら…。
もし、行く時期が3日でもズレていたら…。

叔母はカバンや財布の中に、甥と姪（私のいとこ達ね）の連絡先を入れていました。けど彼らも叔母とは絶縁状態。定期的に連絡をとっていたわけではなかったし、警察から連絡があってもやって来もしませんでした（骨も拾いに来なかった）。近くの親戚…なんて、日ごろから親密な行き来をしていなければ何の役にもたちませんよ。

写真は福岡にあるフランス菓子16区のブルーベリーパイ。福岡在住の友人が送ってくれました。あの時、急遽連絡したら駆けつけて食事に付き合ってくれた大学時代の友人。横断歩道の向こうから大きく手を振る彼女を見た時、どれだけホッとしたか、嬉しかったか、有難かったか。今更ながら涙が出ます。